それいけ!ポケモン学園

 

ここはポケモン学園、通称ポケ学。今は学園祭について各クラスが話し合っているのである。それでは各クラスの話し合いを覗いてみよう。
ここはA組。
「メイド喫茶だっ!」
そう提案したのはストライクとガラガラだ。
「何でメイド喫茶なんだよ。」
ライボルトが尋ねた。
「よくぞ聞いてくれました、ライボルト君。なあ同志ガラガラよ。」
「ああ。昨日我々は行ったのだよ。」
「どこに?」
「もちろん、メイド喫茶だよ。」
「冥土に行けばよかったのに。」
ライボルトが茶化す。
「なんだと。」
「まあまあ。それでだね、研究してきたんだ。なあ同志ストライク。」
「そう。メイドさんの服の精巧な作りからキャラクターまで。」
そして反論する者もなく・・・
「A組はメイド喫茶に決定!」
かわってB組、。
「なにするぅ~?」
マニューラが言った。
「劇?」
誰かが提案する。しかし、
「恥ずかしいからやだな~。」
「よっし!」
ザングースが立ち上がった。
「映画を撮ろう!」
「映画ぁ~?」
マニューラを含めたクラス全員が叫ぶ。
「そうだ。劇はリアルタイムでやらなければいけないけど、映画だったら前もって撮っておいて当日は流しておくだけでいい。」
「いいじゃない、それ。」
「じゃあ映画。キャストとかは俺が考えとくから。」
最後はC組。
「何をする・・・?」
ミュウツーは言った。
「やっぱステージで劇でしょ。」
ミュウが提案した。
「オリジナルにする?何か話を選ぶ?」
ミュウツーは尋ねた。
「心配御無用、これさ。」
そう言いながらミュウは一冊の本を取り出した。
「それは・・・」
声を出したのはエムリット、そして本には『ロミオとジュリエット』と書いてあった。
こんな感じにクラスの話し合いが進む一方、園内の一室で
「学園祭に進入しようと考える者がいると?」
そう言うのは学園長のピカチュウである。そしてここは学園長室。
「あ、はい。あくまで噂ですが・・・」
教頭はガルーラである。
「いないでしょ、うちにどんな生徒がいるか理解してない人っているの?」
「まぁ、たしかにそうですが・・・」
「警戒だけしとこう。」
「分かりました。」
そして次の日。A組はストライクが招集をかける。
「おーい。集まってくれ~。」
「ところでメイドは何をするの?」
サーナイトが尋ねた。
「そのことか。いいかい、そもそもメイドというのはね・・・」
ストライクが話そうとした時、
「ちょ、そうじゃなくて・・・」
「ああ、分かってるって。話を最後まで聞いてくれ。」
サーナイトをガラガラが止めた。
「で、メイドには三大性格というものがあるんだ。まず一つ目は『ツンデレ』、これはツンツン(やけに相手に手厳しいこと)しているが、最終的にはデレデレ(文字通りの意味)することを言う。そして二つ目、『ドジッ娘』、これは王道だね。わざとでもいいから・・・例えば、ズッコケて頭から水をかぶるとか。最後は『妹』、説明するほどのことではないな。男の中には女子から『お兄ちゃん』と呼ばれることを好きな奴がいる。それだけだ。」
ストライクの長演説が終わると、クラス中が静まっていた。
「ということで、女子は俺、男子はガラガラのところに来てくれ。」
そういって二人は教室の端に別れた。
 B組はどうかというと・・・
「どうも~。」
「何、その格好・・・」
マニューラに尋ねられたザングースの格好は『ハリウッド』と英語つづりが書かれた帽子にメガホン、そしてディレクターチェアに腰掛け、まあ多分監督だろうと思われる感じだった。
「気分だ、シナリオもちゃんと考えたぞ。配ったやつを見てくれ。」
皆が目を通している脚本の題名は・・・
「『波動の勇者』~。何で俺が主人公なんだよ。」
ルカリオが言った。
「アタシなんて悪の首領よ。どういうことよ~?」
マニューラも反論したが、
「残念、君たち以外は賛成だ。」
ザングースが言った。
「・・・まあ、いいや。」
「ちょっと、ルカリオ君。」
止めたマニューラだったが、大衆に弱いルカリオには無駄だった。
「やっぱり、これなのね。」
C組のエムリットは言った。
「頑張ろぉ~、エムリットちゃん。」
ロトムがのんびりと言った。
 ところでC組は何をするかというと『ロミオとジュリエット』を基にした、オリジナルの劇『ロトムとエムリット』である。
「くっくっく、ナイスなキャストだな。」
笑いながら言っているのはミュウである。
「まあ、慣れているからいいわ。」
「あとのキャストも決めるからな~。」
C組もだが淡々と決まっていくので作者も助かる!
「噂のように学園祭に変な輩が来るとの事だ。皆、当日は警戒を怠るな!」
そういうのは風紀委員長のルカリオだ。ちなみにメンバーはストライクにガラガラなど紹介しきれないが各クラス二人ずつ入っている。
「分かりました。」
皆が高らかに返事した。
「頼むぞ。」
「作戦は七日後、ポケ学の奴らに我ら三鬼神の力を見せてやるぞ!」
変わってここは何やらヒソヒソ会議のご様子。全部で三人、中央の一人が言った。
「承知!」
両サイドにいた二匹がそろって答える。
(ニヤリ)
暗闇の中でくちばしがキラリと光った。
展開が早いようだが学園祭当日である。
「というわけで、生徒の皆さんは学園祭を楽しんでください、以上です。」
ピカチュウは開催のあいさつをした。
「さて、我々はクラスを回ろうか、教頭。」
「はい。」
そう言ってピカチュウとガルーラは体育館を出た。
「A組か…」
ピカチュウ達はドアを開けた。すると、
「何しに来たの?」
「はいぃぃぃっ?」
迎えたのは『ツンデレ』メイドに扮したクチートだった。
「何を言って・・・」
「校長、抑えて。こういうところですから。」
怒りかけたピカチュウだったがガルーラに止められた。
「べ、別に来なくても良かったのに。は、早く席に着かないと噛み付くわよ。」
ガルーラはピカチュウを連れて席に着く。
「お帰りなさいませご主人様。み、水を……きゃあ。」
『ドジッ娘』のサーナイトが豪快にすっ転んだが、水はこぼれなかった。なぜなら
「おい、サーナイト。水を頭からかぶれよ、サイコキネシスで止めるな。」
「だってぇ~」
ピカチュウが水がかからなくてホッとしていると、
「お兄ちゃん。」
「お、お兄ちゃん?」
いきなり出てきた単語にピカチュウは戸惑った
「そうだよ。忘れたの?妹のチェリムだよ。」
『妹』のチェリムは言った。
「なんだここはーっ。」
ピカチュウの理性が吹っ飛んだ。そこへ、
「くっくっく、どうですか、学園長。我がクラスは。」
ストライクが声をかけたがピカチュウの耳には届かなかった。
「波動の勇者様。」
「ようやく現れたわね、波動の勇者。」
「悪の首領よ。村娘を返してもらおう、波動の力を見よ!」
ここはB組、制作映画『波動の勇者』を放映中。主人公はルカリオ、首領はマニューラである。
「お、面白いじゃないか。」
ピカチュウはハマったようだ。そして数十分後、
「勇者様・・・」
「波動は……我に有り。」
『END』と文字が出てきて、スタッフロールと共にNGシーンが始まった。
「NGがあるとはなかなか本格的だな。はっはっは。」
「はい。」
「次に行こうか。」
「はい。」
2匹は最後にしてはたいしたリアクションもなく静かに教室を出た。
「やっと始まるのか・・・」
ピカチュウがそういうとステージの幕があがった。
「ああ、ロトム。何であなたはロトムなの?」
「エムリ~ットォ~」
いかにもパロディ感あふれる作品である。
「洒落かね。」
「はい。」
その30分後
「くっ、油断した。泣ける劇じゃないか・・・」
号泣しているピカチュウ。
「ちょっ、学園長。静かにしてください。」
ガルーラが止めるが、ピカチュウは泣き止まない。
「もう、外に出ますよ。」
「いや~面目ない。」
「本当ですよ。」
ピカチュウとガルーラがグラウンドを歩いていると
(ドーン)
屋上で爆発が起こった。
「何事だ?」
ピカチュウが言った。そしてその声を聞き生徒たちもグラウンドに出てきた。
「ふははははっ。ごきげんよう、ポケモン学園の諸君。」
屋上から声がした。
「誰だ?」
すると二匹が降りてきて、
「パンチの鬼、あ エビワラー。」
「キックの鬼、あ サワムラー。」
二匹が自己紹介(?)をする。
「そして我らが偉大なる。」
「三鬼神の中の三鬼神、その名も。」
二匹目が降りてくる。
「スズメの鬼、オニスズメ、3人そろって三鬼神。」
三鬼神と名乗る三匹。
「お前たちか、噂の侵入者…」
「その通り。」
オニスズメが言った。
「目的は?」
「我らの目的はピカチュウ、貴様の抹殺である!」
「私の?」
「そうだ、頼まれたからな。」
「誰から?」
「そいつは言えない。」
ピカチュウとオニスズメが話していると、
「貴様らの好きにはさせないぞ!」
またどこからか声がする。
「この声は……」
グラウンドの入り口にルカリオが立っていた。
「波動の勇者だ。本物だ!」
誰かが叫んだ。
「三鬼神とやら、即刻立ち去るがいい!」
「いやだね。」
「ならば、力ずくで、波動の力を見よ。はどうだん!」
ルカリオがはどうだんを放つ。
「頭領!」
エビワラーとサワムラーが叫んだ。
「オウム返し、はどうだん。」
「なにっ」
オニスズメもはどうだんを放ち、両者の攻撃で砂煙が起こった。
「くっ、何も見えない。」
ルカリオが波動で確認しようとすると、
「旋回活殺自在陣!」(せんかいかっさつじざいじん)
「承知!」
三鬼神の声がした。
一方、ピカチュウ達は、
「砂で戦いが見えないぞ。」
砂が晴れてきた。
「ルカリオ君!」
ルカリオが三鬼神の前で倒れていた。
「我々が本気を出せばこんなもの。」
「くっ。」
ピカチュウが一歩引いた。
「このぉ~っ」
そしてやたらめったらに電撃を放ち始めた。
「斬撃包囲陣。」(ざんげきほういじん)
「承知。」
かけ声とともにオニスズメはエアーカッター、エビワラーとサワムラーは真空波を放つ。
「うわっ」
ピカチュウは逃げ場を失った。
「旋回活殺自在陣。」
「承知!」
やられる、そう思ったピカチュウは思わず目をつぶる。しかし、いつまでたっても攻撃が来ないので目を開けてみると、
「あ、」
目の前にでかでかと出ている看板には大きく『ドッキリ』と書かれていた。
「本当に?」
その質問には皆の笑いが返ってきた。
「はい、学園長。ドッキリです、全部嘘。」
誰かが言う。
「……教頭。」
「すみません、生徒たちから止められてまして……」
「ああ、じゃあ彼らは?」
「OBですよ。」
ガルーラが言うとオニスズメが
「いや~楽しかったですよ。また呼んでください。」
「来年は私が騙してやるぞ~!」
ピカチュウの声は誰もいない校舎にこだました。
「学園長~。写真、写真。」
「分かった。」
皆が並んでいるところにピカチュウたちも来た。
「はい、せ~の。」
ルカリオが音頭をとり、
「大成功!」
こうしてポケモン学園の学園祭は終了した。
皆、教室に戻り片づけをしている。ピカチュウとガルーラはというと、学園長室で
「次は体育祭か。」
ピカチュウが呟いた。
「文化の部より大変ですよ。」
ガルーラも言った。
そう、ピカチュウ達は来週開催される体育祭を心配しているのである。
また大問題が発生することも知らずに……
~学園祭 文化の部編 完
               体育祭編に続くようなら続く~